最期の晩餐Ⅱ

  • 制作1940~42年
  • サイズ174cm×244cm
  • 所蔵ボイマンスヴァーニゲン美術館

今日、メーヘレンの「最期の晩餐」というと、一般的にこちらを指します。
キリストの右側に座る聖ヨハネを「真珠の耳飾りの少女」の少女に似せることで鑑賞者に「フェルメールらしさ」を伝えるという露骨な作戦が稚拙に感じてしまいますが。
その意味合いでは、「最期の晩餐 Ⅰ」のフェルメール初期作品とされる「マリアとマルタの家のキリスト」に似たイタリア古典絵画のような味わいがあります。
しかし、「エマオの食事」の贋作が発覚していなかった時代であれば、こちらの「Ⅱ」の、よりフェルメールらしさをありがたがっただろう背景も理解できます。
また、この作品も教会や大きな室内に飾られることを前提とされていますので矮小なモニターや書籍の紹介写真で判断すべきでは無いでしょう。