この作品自体は、写真をもとに描かれた凡庸なものかも知れません。
しかし、メーヘレンの画業を語るうえで、

「親ナチ」

「画集をヒトラーに献本」

「ゲーリングにフェルメールの贋作を描いて販売」

で、あるメーヘレンがナチス高官の肖像画を描いていたことは歴史的に興味深いでしょう。

この作品は現在、当店が所蔵しております。

オークションサイトに売りに出された当初は他のメーヘレン油彩画と同様に高額だったのですが、戦争犯罪者の肖像画であること。
また、踏み付けらえたような跡があって相当、酷いコンディションであったことから出品価格が乱高下しました。

結局、当店が2017年頃購入して、日本で修復を施しました。
現在はクリアな状態でご覧いただけます。

修復の過程で発見出来たのは、裏側にはヒムラーに関する新聞記事が、何枚も貼り付けられていました。
また、裏側にもサインがありますが。
作品の右下にもルーペを使用して見るとサインと執筆年が描かれていました。

ナチスを騙した作家によるナチス高官を描いた肖像画を皆様にお披露目できる日を愉しみにしております。