笑う士官

  • 制作1923年
  • サイズパネルに油彩 直径36cm
  • 所蔵不明

この作品こそは、判明する限りに於いてのメーヘレンの贋作デビュー作です。
発端は、この後、メーヘレンの贋作販売の窓口をしばらく務めることになる修復画家のテオ・ファン・ウェイン・ハールデン が2枚のフランス・ハルスかも知れない激しく損傷した絵画を「売り物」に出来るよう上書きする相談をメーヘレンに持ちかけたことから始まります。
古典画の技術に自信を持っていたメーヘレンが上書きした作品は、フランス・ハルス作品として認めらます。
ところが、それに異議を唱えたのが後に「エマオの食事」の鑑定および購入で、標的にされて騙されてしまう気の毒なアブラハム・プレデウス博士(マウリッツハイス美術館館長、後にレンブラントのカタログレゾネを出版)です。
思わぬ横やりのせいで仲介した画廊が買い戻したことにより真贋論争はうやむやに終わります。
この円形の作品は、現在、所在不明ですが。これは明らかにフランス・ハルスの同題の作品のポーズを変えたもののような印象をうけます。
※比較のためにフランス・ハルスの同題作品の画像を掲載しておきます。