キリスト頭部

  • 制作1939年
  • サイズ48cm×30cm
  • 所蔵ボイマンスヴァーニゲン美術館

この小品は、「エマオの食事」の絶大な成功に便乗する形で制作されたものと考えられます。
この絵を単体で見ると、そこには憂鬱な表情をした死刑囚のような男が描かれているだけです。
しかし、「エマオの食事」を新たに発見されたフェルメールだと認識した視点で見るならば、この絵は、
フェルメールが「エマオの食事」に取り掛かる前の習作として描いたものなのだろう。と容易に推察してしまう危うさが隠されています。
そしてD・Gファン・ヴァーニゲンは、この絵に475000ギルダー(現在の感覚だと、3億円)も支払いました。
もっとも後日、売りに出されたメーヘレンの「最期の晩餐 Ⅱ」を(同じく 10億円)購入するために資金不足を補うために手放してしまうのですが。
来歴を愉しむためだけの作品です。